日本学術振興会科学研究費補助金　基盤研究（C）　平成26年度~平成28年度

「乾隆時代における、移動する杭州詩人集団の変質と展開に関する研究」

　市瀬信子（研究代表者）https://kaken.nii.ac.jp/d/p/26370421.en.html

　本研究は、清朝乾隆初期に、地方都市の詩社を移動しつつ詩会活動を行った杭州詩人達に焦点をあて、

詩社の隆盛と衰退に伴い、彼らの活動の様態がどのように変化したのか、また唱酬の詩風はどのように変質していったのかを考察する。

そこから、詩会の文化が当時の詩壇に与えた影響と展開について解明しようとするものである。

　乾隆期の詩会の唱和詩は、後世作品として評価されることがなかった。

だが当時詩会活動の中心にいた杭州詩人達は時代の寵児であり、詩壇のリーダーだった。

詩社の衰退は彼らの記録を消し、文学史ではその価値は不当に低く評価されることとなってしまったのだ。

　

　彼らが残した痕跡を辿り、見逃されてきた清代詩史の一面を明らかにするのが本研究の目的である。