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【研究紹介】人は何のために働くのだろう?(江口先生)

2021/06/14経営学科

突然ですが、ここをご覧になっている皆さん,少し考えてみてください。
皆さんにとって「仕事」って,どういうものでしょうか?皆さんの人生における「働くこと」の位置づけはどうでしょうか?

 「人って,何のために働いているのだろう?」

私が研究を始めたきっかけは,そんな素朴な疑問でした。

 

私は大学の教員になる前,今から20年以上前の話です。
私は,注射器などを作っている会社でエンジニアとして働いていましたが,そこでいろいろな人と出会いました。
私の直属の上司は「胃が痛い」と言って,胃薬を飲みながら仕事をしていました。
ストレスで胃が痛くなるなんて,テレビやマンガの世界の話だと思っていた私にとっては,ちょっとショックな出来事でした。
それから,絶対に残業も休日出勤もしない先輩がいました。
その当時,「働き方改革」などという言葉もなく,多くの日本企業では残業や休日出勤をすることが普通でした。
ですが,その先輩は定時になったらさっさと帰り,休日出勤もしません。
いま思えば,理想的な働き方をしていた人なのですが,その頃は「変わった人だなあ」と思っていました。

 胃が痛いと言いながら働く上司。絶対に残業をしない先輩。
そういった人たちと一緒に働く経験を通して,「人って,何のために働いているのだろう?」という疑問がわいてきました。
その後,私が行った研究(職業生活において文化的自己観と労働価値観が組織市民行動に及ぼす影響)では,「自分を成長させるために働く」と思っている人は,「お金のために働く」と思っている人よりも,職場で周りの同僚を手助けするような活動を多く行っていることが分かりました。

「あなたは何のために働いていますか?」

もちろん,この質問に正解はありません。
ですが,その答えによって,皆さんの職場での行動や態度が規定されているかもしれません。


(経営学科 江口教授)

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