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【福祉学科 授業紹介】ペットと人間福祉学

2022/05/31福祉学科
この授業は、藤井宏明先生と私中司が交替で登壇するオムニバス講義の授業です。藤井先生は主に猫の保護活動を、私は犬の保護活動に関係していますので、分担して話をしています。

 この授業がなぜ福祉学科にあるのか。不思議に思われるかもしれません。しかしその理由は明解です。社会福祉と動物保護活動の接点が近年増えているからです。

 例えば、昨今「多頭飼育崩壊」が社会問題として注目されています。多くは、飼育放棄されている猫や犬の保護団体が介入して保護し、その後ケアや医療を施して里親を探すという流れになっています。

 しかし、多頭飼育崩壊を起こす人の多くは、地域で孤立していたり、知的障害があったり精神障害がある等、その人自身が福祉的な支援が必要な人であったりします。つまり、動物を保護するだけでは問題の根本的な解決には至らないのです。多頭飼育崩壊を起こした人の生活課題を解決する支援者が必要なのです。

 そこで、愛護センターの職員や保護団体の人からは、社会福祉専門職と連携して、問題解決を図りたいという要望が出ています。

 また、近年はペットを残して入院する高齢者や亡くなる高齢者が増えています。病気になったので飼えなくなったという形で飼育放棄する人も少なくありません。社会福祉の支援の中にペット問題は切っても切り離せない状況になっていることをひしひしと感じています。

 そこで、その受け手になれる社会福祉専門職を養成したいと考えて、本学福祉学科では動物保護活動を学ぶこの講座を開講しました。

 5月24日の第6回授業は私中司が担当しました。私が2013年からわが家に迎えてきた保護犬3匹の保護経緯を説明しながら、繁殖犬の悲劇、生体販売をする日本のペットショップが抱える課題について話しました。

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