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【経営学科】【研究紹介】文学に関する職業の中で、最も〇〇なジャンルは何でしょう?市瀬教授
2023/05/09経営学科
今回は、市瀬先生(担当:中国語・ビジネス中国語)の研究を紹介します。-------------------
文学に関する職業の中で、最も「食べていけない(生活できない)」ジャンルは何でしょう?
現代の日本では「詩人」だと言われています。
一方、かつての中国では、「詩を作ること」=「高給取りへの道」でした。
官吏登用試験「科挙(かきょ)」の主要科目に「詩」があったからです。
しかし、13世紀~18世紀半ばの間、「科挙」の科目から「詩」がはずされると、詩は勉強の邪魔、出世の妨げと邪魔者扱いされてしまいます。
ところが、そんな清代初期(17~18世紀ごろ)、中国の杭州という地方では、科挙を無視して、詩に邁進する若者達が続出しました。
科挙は当時固定給が確保される唯一の道でしたから、それを無視する若者たちは、当然極貧です。
杭州西湖:若者達はこの美しい地で詩会を開いて詩を吟じ、やがて商業都市に移動していきました。
食えない詩人たちは、どうやって生活したのでしょう?
実は彼らは各地の地方都市でなぜか大人気で、そこに移住して詩を作って生活します。
いったいどういう需要があって、各地に求められたのでしょう?
その謎解きをするのが、私の研究テーマです。
詩の需要とは何か、詩人として生きるということはどういうことだったのか、それらを読み解こうと、現在悪戦苦闘中です。