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【福祉学科】さくらサイエンス5日目 先端的な情報通信技術(ICT)を活用した持続可能な高齢者ケアを学ぶ

2024/11/16福祉学科
5日目は4つのプログラムに取組みました。

1つ目は、藤島法仁先生による「高齢者の福祉と介護保険制度」についての講義がありました。
日本の高齢化は急速に進みましたが、タイもこれから急激な高齢化が予想されています。そこで、日本ではどのように高齢者の福祉(ふつうのくらしのしあわせ)を支えるべく介護保険を展開してきたのか。また、現在の課題は何かに焦点を当てて講義がありました。


PSUの皆さんからは介護保険の認定は誰がどのように行うの?コミュニティベースの地域包括ケアシステムをどのようにつくるの?などの質問が寄せられました。国は違っても高齢者を大切にする社会をどのようにつくっていくのかは共通のテーマで、議論を深めました。

2つ目は、石橋亜矢先生と介護福祉専攻3年生により、「介護現場におけるICT講義と演習 睡眠のケア・事故防止」というテーマで講義と演習が行われました。
PSUの学生は医学部の3年生ということで、初めに「日本の看護師制度」「医師の制度」について説明がありました。


石橋先生の講義風景と、通訳のインさんと、学生からの自己紹介の様子

日本では、介護人材の不足が深刻な問題となっています。この課題に対処するため、病院や福祉施設ではICT(情報通信技術)やAI(人工知能)機器の普及が進められています。
今回の講義では、特に睡眠に焦点を当て、AI技術を活用して高齢者の睡眠状態をモニタリングし、質の高いケアを提供するためのツールである「眠りスキャン」を取り上げました。



次に「眠りスキャン」を使用して演習を行いました。演習では実際の介護福祉現場を想定したデモンストレーションが行われました。
眠りスキャンの使用方法や使用目的、使用に伴い期待されることなど、そのすばらしさを石橋先生と3年生の白熱の演技でPSUの方々に伝えました。
PSUの方々も真剣な眼差しで聴講していましたが、時折あるユーモアに笑顔も見られました。


講義終了後全体写真


集中した後はホッと一息(´▽`)  おいしい学食をみんなで食べました。

午後からの3つ目のプログラムでは松本末信先生が「ICT機器を用いた排泄や体圧について」というテーマで講義と演習を行いました。

講義では、介護保険法成立前後の日本の介護福祉の変遷、これまでの介護福祉現場における排泄介護、体位変換の工夫や苦悩、ICT機器や介護ロボット導入によって変化した介助方法について学びました。
その後、排泄予測支援機器 D-freeや体圧可視化マットレス SCOPEを使用し、演習を行いました。
モニターにより体圧を確認できることにPSUの方々も驚いていました。

福祉学科の4年生がポジショニングや体圧分散、除圧の方法をモニターで確認しながらレクチャーしました。

今回、多くのICT福祉機器を用いて行いました。機器をお貸出しいただいた企業の皆様、誠にありがとうございました。

最後に、4つ目のプログラムとしてタイ王国の高齢者ケアと題して、PSUの学生から「タイの医療保健制度やボランティアの仕組み、高齢者施設の現状」についてお話しいただきました。

日本とは異なるタイの取組みに、質疑応答の時間では、「高齢者に支給されるお金が1か月で2700円とのことでしたが、タイでは1か月どのくらいの金額で生活できますか?」「アプリを活用して患者の医療情報が送られるとのことでしたが、どのくらいの人口をカバーしていますか?」と日本人の学生から多くの質問が寄せられました。




我々も国によって医療や介護の仕組みが大きく異なることを理解するとともに、日本の医療保険制度や介護保険制度の特徴を改めて気づくことができました。

  

明日は、さくらサイエンスのプログラム最終日です。最終日を前に、PSUの方にこのプログラムに参加しての感想をお聞きしました。

「タイですぐにICTを取り入れた高齢者ケアを始めることは難しいと思うが、今後タイも高齢化が進んでいく。日本の介護現場でICTが取り入れられていることを学べたことは、これからタイの医療を担っていく自分たちにとって大変有意義な機会だった。」

この言葉を聞いて、このプログラムのねらいがPSUの学生にしっかり伝わっていることがわかりました。
残り1日、最後まで学び多い時間になるよう、私たちも取り組んでいきます。




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